山県市高富の犬・猫の動物病院『たかとみ動物病院』

  • 0581-23-0272

    お問い合わせ

  • 夜間救急はこちら

    予約フォーム

  • 診療時間
    9:00~12:00 / 17:00~19:30
    休診日
    水曜午後・日曜・祝日
    ※土曜は19時まで
    ※受付は終了30分前まで

症例紹介

カテゴリー:

麻酔のお話1

  • その他

麻酔の話って手術や検査の時に必ず耳にすると思いますが、飼い主さんからよく言われる質問で、〇〇歳だけど負担はないですか?麻酔かけれますか?

高齢になるとやはり麻酔をかけて大丈夫かな?という心配は切り離せませんよね。更には〇〇歳だから麻酔は無理と言われたのですが・・・といわれることもありますが、普段麻酔に関してなかなか知る機会も少ないと思いますので当院での麻酔に関してちょっと書いてみようと思います。

そもそも「麻酔を使って眠らせる」とひとくくりで言われますが、麻酔をかけるのには様々な方法や薬剤があり、どの方法が一番いいと決まっているものではありません。
例えば避妊手術や去勢手術といった一般的に健康で基礎疾患などがない場合には大まかに決まった方法で麻酔をかけることが多いと思いますが、やはり麻酔をかける獣医師によって同じプロトコールとならないでしょう。
先日、獣医麻酔外科学会の中で数人の麻酔医が〇〇の病気の時に行う麻酔の方法をディスカッションする機会があったのですが、避妊手術の麻酔というテーマでも皆さん違っていました。どのやり方も間違ってるわけではないのですが同じにならないと聞くと、皆さんは不思議と思われるかもしれませんが、目的は同じでそれに向けたアプローチの選択肢が広いと言えるわけです。
麻酔をかける場合テレビで見るようなマスクを当てたり口から管を入れたりして麻酔かけられているのでそういうイメージがありますが、それはメインの麻酔であって、その前からマルチモーダル麻酔と言って、動物たちの不安をやわらげ、痛みを軽減し、覚めるのも穏やかになるような麻酔をしています。
それらをするためにはその子の性格なども考慮する必要がありますし、それにより選択する薬剤なども変わります。

もう一つ大事なことは周術期管理と言って麻酔をかける前から麻酔中そして麻酔が覚めてからを含む周術期管理というものです。
簡単に言うと麻酔から覚めたけど何が起こったか不安で緊張や興奮してしまったり、痛くて痛くてしょうがないとか、体温が下がり気味で震えてるとか、酸素が足りなくなるような状況にさせない管理も大切なのです。
痛み止めが打ってあるから大丈夫!なのですが、痛み止めも種類が様々で受ける手術内容や程度によってその痛みを抑える方法も考えないといけません。
例えば当院ですと手術部位と関係ない骨盤の毛を刈らせてもらてることがあるのですが、それは硬膜外麻酔という方法を選択したためです。そのほかにも場所や程度によって各種神経ブロックなども併用することも多々あります。
私の場合は目的とする手術によっておおまかに麻酔の方法は決まってますが、その子のコンディションや疾患によってより良い薬剤の選択や種類を考えているんです。
ですので、〇〇歳だから麻酔無理ということにはなりませんが、だからと言って麻酔は大丈夫ということにもなりません。
飼い主さんの希望と、その子のコンディション等含め様々な選択肢の中から相談して決めることが大事だと思っています。

さらにいわゆる基礎疾患がある場合などはなおさらですよね。
麻酔をかけるということは、命を預かるということですから、麻酔中の動物たちの状態把握はもちろん、いろんなモニターを使って術中の安定化を図り、「あれ、気づいたら終わってた~。そして思ってるより痛くないなぁ、もうちょっと寝よう~」なんて動物たちが思ってくれるような麻酔管理ができるといいですよね!
因みに上のセリフは私の実体験ですが、痛いのは本当に嫌ですよね!動物たちもそれは一緒のはずですからね!

胆嚢破裂の緊急手術をして覚醒後20分後の表情。あまり痛そうに見えないと思いますがいかがでしょう?

 

 

 

 

 

 

ページトップへ戻る