予防は大切な動物の命と健康を守るための手段の一つですから、飼い主様はしっかり知識を持って前向きに取り組んでいただけるようにお願いします。
予防接種にもいくつかの種類があります。法律で義務化されている狂犬病の予防接種の他に、フィラリア感染症やノミやダニを予防することも重要です。
また、去勢や避妊を行うことで予防できる病気も多数あります。
さらに、予防接種や手術だけでなくても、日常の食欲や排せつなどに注意を向けることで、異常を早期に察知して早めに治療することも大切な予防です。
ペットの健康を守るためにも、当院で定期検診を受けることを始めましょう。

混合ワクチンは複数の病気を予防する効果がありますので、積極的に摂取することをおすすめします。わんちゃんであれば、犬コロナウイルス感染症やジステンバー、犬伝染性肝炎や犬パルボウイルス感染症、犬パラインフルエンザや犬伝染性咽頭気管炎などに対応できます。
また、ねこちゃんなら猫ウイルス性鼻気管炎や猫汎白血球減少症（伝染性腸炎）、猫カリシウイルス感染症などの予防が可能です。
混合ワクチンで対応できる疾患は上記以外にも多数あります。動物の種類や生活環境などで適正な接種ができるようにわかりやすくアドバイスを行いますので、お気軽に当院にご相談ください。

フィラリア症は犬糸状虫症とも呼ばれており、蚊によって媒介される感染症です。フィラリアが肺や心臓に寄生すると、重度の疾患に至ることが少なくありません。急性的に呼吸困難が起こったり、血尿が出ることもあり、命を落とす可能性もあります。慢性化すると咳が続き、体重が減少して運動することを嫌がるようになります。
蚊の活動期間である5月から12月くらいまでが予防の期間です。予防薬には錠剤や注射薬、スポット剤などがあります。犬がフィラリア症に感染しているかどうかの検査は簡単にできますので、確認したうえでしっかり予防を行いましょう。

狂犬病は犬だけでなく猫や人間も感染しますし、発症すると高い確率で死に至る病気です。そのため、犬を飼う場合、登録することと生後90日を超えた犬は、毎年1回狂犬病ワクチンを接種することが法律で定められています。これを守っていない場合、犬は拘留の対象になりますし、飼っている人は罰金を命じられることがありますから、しっかり予防を行いましょう。
日本は狂犬病の抑え込みに成功していますが、世界には狂犬病の被害が多数ありますから、何らかのルートで国内に侵入した場合に備えて予防を徹底することが重要です。