山県市高富の犬・猫の動物病院『たかとみ動物病院』

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症例紹介

カテゴリー:

フィラリア症

  • 内科
  • 循環器科

フィラリア(犬糸状虫:Dirofilaria immitis)
フィラリアとは犬糸状虫という大きいと30cmにもなる糸のような細い虫が寄生して様々な症状を出す病気です。わんちゃんだけでなくねこちゃんもかかります。

症状フィラリアが心臓や肺動脈に寄生することで血液の流れが悪くなり、元気・食欲がない、咳をする、痩せる、呼吸が苦しそうなどと言った症状があげられます。また、症状が進行してくると、おなかが膨らんできたり、赤みを帯びた尿をするようになったりすることがあります。しかし、フィラリア症の症状は、はじめはあまり目立たないので見過ごしてしまいがちです。
放置すれば死に至ることもあり、犬にとっては重大な病気です。 また、 猫の場合は主に肺に障害を起こします。ところが、猫においては寄生する虫の数が少ないため診断が難しく、咳、呼吸困難、嘔吐などの症状が出てきた時は生命が危険な状態です。健康そうにみえても突然死亡することもあります。今のところ猫の治療法は確立されておらず、最善の方法は事前の予防です。

感染経路:蚊が、フィラリアが寄生した犬からフィラリアの幼虫を運んできます。感染した犬の血を吸った蚊が他の犬の血を吸うことでフィラリアに感染します。

つまり、感染した犬やタヌキやキツネ(この辺の地域だと)→蚊→まだ感染していない犬→感染→蚊→さらに感染していない犬に。

症例
 10歳 柴犬 6kg 屋外飼育
食欲元気もあるけど、すごく痩せてきたということで検査をした結果、フィラリア症とわかりました。
フィラリアは血液検査でわかるのですが、その寄生によって体がどうなっているのかは画像検査の追加が必要です。
画像検査は主にレントゲンと超音波検査ですね。
レントゲンを撮って心臓や肺の全体像を確認します、そして心機能の検査には超音波が必須ですね。
心臓の超音波検査でフィラリアの虫体が確認できました。(赤い矢印がすべてフィラリアです)
                      
    
フィラリアによる症状は様々ですが、この子は咳もなく、呼吸も落ち着いていて、さらに心エコー検査の結果フィラリアの虫体自体が左右の肺動脈だけでなく、右心系に見られていたため、場合によって手術をすることもあるのですが、それによりよる特徴的な症状がまだ出ていなく、相談の結果フィラリアを駆虫していく治療で頑張ってもらうことになりました。
フィラリアの寄生による心臓や肺への負担はありますので今後も心臓の超音波検査で、しっかりと心臓の機能をフォローをしてあげる必要があります。
検査して原因と状態が分かって良かったのですが、フィラリアの治療には時間もかかりますし、フィラリアが居なくなる=もう病気が進行しないということではないので、注意が必要です。
この辺の地域では、20年ほど前、当院での検査結果では予防をしていない子の64%が陽性を示していました。実に驚異的な数字だと感じていましたが、今では年に数頭です。正確には出していませんが数%だと思います。様々なタイプの予防薬の普及と飼い主さんのフィラリア予防の意識とが継続した結果だと思います。素晴らしい~!
因みに余談ですが、日本でフィラリアを媒介する蚊の種類をご存じでしょうか?私はどれがどの蚊か全部区別できませんが16種類もいるらしいですね。
そして、蚊の種類によって吸血する時間帯も昼間だったり、薄暮期だったり夜間だったりいつでもなど違いがあるようです。
アカイエカ、コガタアカイエカ、チカイエカ、カラツイエカ、
ネッタイイエカ、ヨツボシイエカ、トウゴウヤブカ、ヒトスジシマカ、
キンイロヤブカ、ネッタイシマカ、ホッコクヤブカ、アカンヤブカ、
チシマヤブカ、カラフトヤブカ、シナハマダラカ、アシマダラヌマカ
因みにPart2ですが、本州と沖縄ではフィラリアの種類が違うようで、寄生の状況も若干違う要素があるようです。

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