山県市高富の犬・猫の動物病院『たかとみ動物病院』

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私の身近にいた子達 パート2

  • 院長ブログ

さて、前回のパート1でちょっと書きましたが、今まで私と一緒に時間を過ごしてきた子たちのことを書いてみようかなと思います。
私という獣医がどうやって動物達に関わって、何を感じてそして今に至っているのか、一部ではありますが少しでもこんな先生なんだとか、こういう一面があるんだということを知ってもらえればいいかなと思います。

生まれたときに側にいて、1、2歳くらいまで側にいた猫のミー?ちゃんの記憶はほぼ無く、何でも家のすぐ裏に大きな川があり父親が夜勤明けによく釣りをしてその釣った魚を食べてたとか、私が寝ているといつも側で一緒に寝ていたなどそれくらいしか聞いてないけど。そう言えばみーちゃんはどうなったのか聞いてないな〜。

その後、家庭の諸事情によりあちこちを転々とし、小学3、4年生のころ、小学校の煙突や屋根のところにスズメが巣を作りそれを友達と何故か捕まえて、飼う事にしました。(現在はこんなことをしたらいけません!路上で見つけた雛でさえ、自立の練習中であることがほとんどで、親鳥が近くで見ていることも多く、安易に保護してはいけないとなっています。)今なられっきとした誘拐犯ですね。絶対してはいけません。捕まえた雛はパンの耳に牛乳を浸したものやご飯粒をあげて育てました。母親は特に何もいう事なく、一緒に面倒みてくれていたと思います。ちなみに名前は「かんちゃん」でした。北風小僧の寒太郎から命名。
当時友達と順番に家に連れて帰って面倒を見ると言う約束で毎日小学校に連れて行っていました。
特に先生に怒られるわけでもなく、教室で飼っているかのごとく後ろの棚や、窓側の机の上に置いて授業中もピィピィ鳴いていました。
そんなのが許されていたなんて時代でしょうかね。
そのカンチャン、友達が学校に忘れて行ったりして翌日教室で鳴いていたりを繰り返していたので、結局自分が面倒見ることになりました。ま〜小学生中学年なのでしっかりとした責任持ってなんて難しいですよね。

さて、そのカンちゃん、手に乗ってくるようになり、部屋の中を飛び回っては肩に止まったりととっても慣れていきました。そんなある日、鳥籠で飼っていたのですが鳥籠の掃除をして鳥籠のドアを開けたまま日光浴として外にカゴを吊り下げてしまい、気づいたらカンちゃんは外の世界に〜〜〜。
当たり前ですよね。結構泣いた記憶があるのですが外には他のスズメも多いし、日光浴はいつもしていたのですが思えば一生懸命鳴いていましたから自由に飛び回れる外の世界は、カンちゃんにとっては本来の世界ですからね。
で、普通ここまでのお話となりそうですが、実は続きが・・・・。

なんと、多分次の日の夕方(もしかしたら2,3日経ってたかも)、外から帰ってくると吊るしておいた鳥籠の中にカンちゃんが!
親が捕まえた?別のスズメ? でも飼い主には分かります!本人だと!
まじか〜〜〜〜!ほんとに???? 今度は嬉し泣きでした〜。
でもその後、せっかく帰ってきたけど、やっぱり外の世界がいいはずだから、自由にしてあげよう、きっと今日は今までのありがとうを言いにきたんだよと、親に言われ納得してその夜は部屋に入れて、そばで寝て、翌日また籠を外に出し、ドアを開けてあげると、しばらくして鳴きながら飛んで行きました!
元気でね〜って思いながら見送りました、そんなに悲しくなかったですね。
で、普通ここまでのいい話てきな感じですが、実は続きが・・・・。

なんと、カンちゃんその日の夜も籠に帰ってきたんです!
なぜ?普通にドアは空いているのにカゴの中の止まり木に止まっているんです。
そう、結局カンちゃんは、外と籠を行ったり来たり、たまに2、3日来ないと思ったらまた帰ってくる。
いつしか飼っていると言うより屋根を共にする関係のようでした。
こんなこともありました。ある夏休みの日、家から小学校のプールまで数百メートルだったのですが、プールで遊んで知ると当時小学校に連れて行ったりしていた時の担任の先生が、手のひらにスズメを乗せて「この子、慶慈くんとこのスズメでしょ。慶慈くん追っかけて飛んできたんじゃない?」と、ほんとだ〜と言いながらプールを出て、家まで連れていき、例のカゴの中に入れるも開けっ放しのドアから再度追っかけてプールまでを2、3回繰り返したことも。かわいい子でした。

そんなカンちゃん、ある日ぱったり帰って来なくなりました。
明日は戻ってくるかと期待していたのにとうとう帰ってくることはなかったです。
カンちゃんにも新しい家族ができたんだよ。と言われ、そうだな〜と、一度いなくなった事があったので、なぜかカンちゃんの生き方を尊重するような意識があって、元気で頑張れよって子供ながらに思った記憶は今もはっきり残って居ます。

その後、何度かまたスズメの雛を捕まえましたが、ここまで慣れてくれた子はいませんでした。
この後の人生でいろんな鳥に興味を持って飼う事になりましたが、このカンちゃんの経験が大きいですね。
今も、スズメを見るとカンちゃんを思い出します。

後日談ですが、私が中学生くらいになった時、カンちゃんが何故帰って来なくなったのか、その理由を親が教えてくれました。実は、当時カンちゃんはプールの件もそうですが、学校帰りに突然後ろから肩に止まるなど、外で家族を見ると肩に向かって飛んでくる事が多々ありました。その日も夕方日が沈み真っ赤な夕焼けの中、車で帰宅している時に駐車場でどうやら両親を見つけたらしく例の如く肩目掛けて飛んできたそうですが、残念ながら走っていた車のフロントガラスに突撃してしまい、ほぼ即死のようだったとのことでした。上の方から急に現れてあっと思った時にはブレーキも間に合わずぶつかってしまったそうです。
とても言えなかったそうで、話すまでに数年かかってしまったと言われたけど、今ならその気持ちもよく分かります。自分も親になり、子供にいろいろなことを伝えなくてはいけない時、どう伝えるべきか、いつ伝えるべきか悩む事は多々ありますもんね。

カンちゃん、あんなに慣れなかったら、そんな事故に遭わなかったのに。でも、あんなに慣れてくれてありがとうと言いたいですね。

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